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【"センス"という最大の壁=個性という人間らしさの克服】

まず誤解を恐れず言うならば、クリエイターは"様々な表現方法やパターンを理解し実現出来るデザイナー"なだけであって、
デザインやテンポやセンスにおいて、"100%お客様の感性を理解したアーティスト"ではないということだ。

例えば、

EDMが好きな人もいればアコギが好きな人もいる。

明朝が見易いと思う人がいれば、ゴシックにこだわる人もいる。

暖かめな色が好きな人と青めな色が好きな人もいる。

これらの感性の違いは対話をする事でしか埋められない。
辛辣な言い方をするならば「任せる」「任せられた」というのは双方の怠慢かつ怠惰な姿勢に過ぎない。
(もちろんコミュニケーションの中で、相手への信頼を表す言葉として「任せたよ」「任してください」はあるが、だからと言って本当に全部任せて合って良いわけではない。)



【デザイナーでありアーティストにはなれない。】
客観的に言うならば、作り手は120点を目指しながらも90-100点を提出出来る"デザイナー"に過ぎないのである。

120-150点が求められるのであれば、0点になる覚悟とセットで"アート"を提供するしかない。
それも信頼の上に成り立つのであれば無しではないと思うが、基本的にはアートとは人の中に存在する個性であり感性なので、一致するとは限らない。


よく受ける相談は、「自分の好きな作品を作るクリエイターに任せたはずが、全然イメージが違った。だから業者を変えたい。」という話だ。
それは、残念ながら依頼者がクリエイターを「魔法の玉手箱」か何かと思ってしまったが故に起こる事だし、そういう姿勢では同じことが繰り返される。

そもそも動画作りは、人により感性の違いがあることを楽しむ必要があるし、他人の感性を嗜んだり理解する余力が双方に必要なのだ。



【コミュニケーションでしか溝は埋められない】
「これで本当に良いの?」と多少疑問があってもとても喜んでいただける時もあるし、
逆に、「これはキタ」と思っても全然イメージが違うと言われる懸念もある。


動画を作るのは本当に難しい。


実はお客さんとやりとりしているとその会社の体質が判る。
大きく2分するならば、トップの意向権限が強い会社か、担当が自立してる会社か。

ちなみにトラブルが起こりやすいクライアントさんは、トップ意向と権限が強い会社さんである。
さらには「私には明確なイメージが無いから任せたよ」という人は2アウトである。
あえて言葉にするならば、作り手の気持ちに立てずに「任せることが出来る自分」に酔っている無責任者である。

結局のところ大事なのは"対話"と信頼関係である。
密なコミュニケーション。
お互いを思いやる気持ち。

依頼者側は長い付き合いだとしても「このクリエイターなら大丈夫」と安易に全任せにしないこと。
試すようなことはせずに、きちんと意向を伝えること。
"真の完成像"が頭に入ってるのは作り手ではなく、依頼者であるクライアントさんなのだ。
(作り手は、その頭の中を出来る限り覗いたり、理解しようと努めることしか結局出来ないのである。)

クリエイター側に必要なのは「なんとなくこうだよね。」とか「このお客さんならこれが良いだろ」と自分で判断をせずに、コンテや音楽イメージを丁寧に共有してから進めること。
自分の感性に慢心したらプロとして終わりである。一生自分の世界にこもって自分の中のアートをやってればいい。


何度も言うが、コミュニケーションを対等に取れないと、「言った言わない」だったり「あなたに任せれば平気だと思ってたのに、酷い。」ということが平気でおこる恐ろしいクリエイティブ代行が動画制作なのだ。

だから制作という意味で主に取り沙汰されるのは撮影・編集だけど、
企画・プロデュース・営業でいうと勝負は事前のやりとりで決まるのである。

依頼する側、依頼される側、どちらも笑顔になれるクリエイティブ業界を目指したい。